火照ったコンクリートの熱が、ゴムで出来た靴底を通じて侵入してくるのだけれど、汗はかかないし、足元がふらつくわけでもなく、ただ真っ直ぐに進んで行く、何メートルか先で揺らめく空気から目を離さないように、「行き先はわからなくてもただ歩け」とあなたは言ってわたしはただそれに従うのだ、それはたぶんあなたに追いつくために。真っ白な光がわたしの目を焼いたとしても、わたしはたぶんあなたに追いつくために、何メートルか先で蒸発していく水分から目を離さない。